これは株式会社西尾家具工芸社が創業70周年を迎えるにあたっての企業スローガンです。西尾家具工芸社の「伝統」とは、伝統的な製品や伝統的な技術といった目に見える形の伝統という意味ばかりではなく、昭和23年の創業当時より70年後の今まで絶え間なく続く、「木のぬくもりを大切にしたものづくりで学校教育に貢献していく」、という姿勢そのものです。
伝統を大切にするという企業精神は、未来永劫変わることはありません。しかし、企業理念である「こどもたちに良質を」を実現していくためには、古き良き伝統を温めつつ、現在をしっかりと見つめながら、未来を創造していかなくてはなりません。現状に満足することなく、常に西尾家具工芸社の伝統と企業理念を念頭に置き、「良質」をこどもたちに提供するために、進化し続けていく必要があります。そして、その姿勢こそが未来を創造する源となる「革新」であると考えます。
「伝統と革新」 これは物理的・実質的な意味ばかりを含みませんし、70周年だけの記念スローガンではありません。「伝統」を大切にする精神と「革新」へのチャレンジ精神、これこそがニシオイズムであると考え、70周年を機に再認識したいと思います。
「こどもたちに良質を」のために・・・
株式会社西尾家具工芸社
代表取締役会長
1948年、小学校教員だった西尾長利が、「すべてのこどもたちが安全で快適に学べる教育空間を・・・」との強い使命感のもと西尾家具工芸社を創業しました。 教育環境の充実を図るべく、研究・開発に努め、1951年に調理台第1号が完成しました。
その後、教育に関する法律の整備に伴い、理科実験台や図書館の書架などの研究・開発に力を注ぎ、学校家具業界で初めて家具に新素材「メラミン樹脂化粧合板」を採用しました。今では一般的であるノックダウン(現場組み立て)式を取り入れたのもこの頃です。また当時、東日本のモデル校であった千葉県立松戸高等学校に家具を納入したことで、当社の名が東日本一円に認知され、教育関係者からの要望により公立の高等学校では異例の展示説明会を当校で催しました。これを皮切りに各地で展示会を開催し、全国に販売網を拡大していきました。
そうしたなか、食文化改善の普及をきっかけに、オーダーキッチンやインテリア製品を展開。福祉施設分野向けの昇降式調理台を発表するなど多様なニーズに対応しました。
創業から50周年をむかえ、もう一度原点に立ち返り、学校家具に特化し、「こどもたちに良質を」という想いのもと、木のぬくもりや環境を考えた家具の開発に邁進しました。その想いを具現化したのが、ナラの無垢材を使用した「ならのこチェア」や、シックハウス症候群等の環境問題に対応したニシオECOボードです。さらに、国産ヒノキ間伐集成材を使用したウッディシリーズを発表し、今では新たなスタンダードとなりました。
70年間ものづくりと歩んだ西尾家具工芸社は、更なる未来に繋がるものづくりを目指します。
触れる、見る、感じる。すべてのこどもたちに、
ニシオの家具は良質でありつづけたいと願います。